トスカーナのソムリエ

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2009年 10月 14日

収穫 第3弾

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先々週末から土・日返上で始まった収穫の第3弾。まず土・日の2日間はPoggio Scaletteの畑ではなく、
近所に今年ワイナリーを買ったユーリの友人でベルギー人のワイン商ベルナールの畑。
そして、やはり近所のワイナリーIl Tagliatoの畑。
周りから頼りにされ、それを引き受けるユーリの人柄から、ふたつのご近所さんの畑の収穫・醸造。

ベルナールはワイン商だがワイン造りは専門でなく、普段はイタリアに居ないので、
春前の選定から1年間ずっとユーリの指示で自分達が畑の世話をしてきた。
いよいよ収穫を迎えて、ベルギーから戻って来たベルナールと、友人一行。

そしてIl Tagliatoの畑、何も無かったRuffoliの山頂を開墾して、葡萄を植えた若き地質学者レオナルド。
以前勤めていたGreveの店によく食事に来てくれたり、誕生日ケーキを作ったり、一緒にVinitalyに行ったり、
彼のワインの素晴らしさもこれから世間に知られるという時に、若くして癌に侵され帰らぬ人となってしまった。
その後、彼の家は売りに出され、新オーナーのマルコによって畑は継続。自分にとっては今でもレオナルドの畑。
エノテカ・ピンキオーリのワインセラーで彼のワインBalze d'Istriceを見つけ、抜栓した時もそうだったが、
彼が植え、育てた葡萄を、今こうして自分の手で収穫、醸造するのは感慨深い。

ベルナールの葡萄とマルコの葡萄は、ベルナールのカンティーナで一緒に醸造。
そのコンサルティングを頼まれたユーリ。
ただしユーリは作業を行わず、自分が一人きりで全ての醸造作業を行うことに。
ユーリと、収穫を見届けてベルギーに帰るベルナールから、「任せたよ」とカンティーナの鍵を渡される。

そして週明け月曜日からは、いよいよPoggio Scaletteの収穫第3弾。
毎日夜明け前に起き、朝一番でベルナールのカンティーナに行き、バボと温度を計り、試飲。醸造作業を行う。
全ての器具を洗浄してから、急いでPoggio Scaletteに駆けつけ、
こちらでもまた全てのタンクのバボと温度を計り、試飲。醸造作業を進めていく。
畑から葡萄が届けば除梗をしてタンクに送り、大きなホースやらバケツやら担いで梯子を駆け登り、
葡萄と汗にまみれ駆けずり回る。夕方、収穫が済んだら、酵母を準備し、リモンタージュ。
Poggio Scaletteの作業を終えたら、夜にまたベルナールのカンティーナに戻り、
また醸造作業を行い、全ての器具の洗浄をし掃除を済ませ、家路に着く。

帰宅して泥のように眠るも、夜中、腕や肩や背中に、いきなり電流が流れるような痛みでしばしば目覚める。
あまりの腕の痛さに、腕が折れる夢で目を覚ます。
先週はそんな一週間を過ごしながら、週末もまた土・日返上で収穫・醸造。
朝早くから夜遅くまでの重労働も、休み無しで3週間目を迎えた。
そして昨日の午前中、ようやく今年の全ての葡萄の収穫を終える。
カンティーナでの作業はまだ毎日山積しているけど、とりあえずはほっとひと息。

by trimpilin | 2009-10-14 05:00 | ワイナリーの仕事


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